馬のオーナーの皆さんへ。

ご存知ですか?馬の歯は1年間におよそ3ミリ伸びます。歯茎の下に根っこがあり、どんどん飛び出してくるのです。それは、1日18時間以上、草をすり潰して食べる馬の食生活に適応する為に、馬自身が長い時間をかけて進化したものです。しかし現代のような不自然な馬の飼い方で、上手く歯を磨耗することができずにいると、エナメル質が口の中でバラのトゲのように尖り、頬や舌ににつきささって馬はとても痛い思いをすることになります。それは飼葉を食べている時も、人々が乗っている時も。

日本の馬たちの99%が口内に何らかの問題をかかえ、口の中は歯が刺さってできた傷や口内炎だらけになり、食べ物を食べる時に痛い思いをし、ハミをつけては痛い思いをし、鼻革を締め付けられては痛い思いをしています。

馬の歯は、蹄と同様にきちんとケアしなければならない大切なパートです。そしてそれは馬を飼育する、所有するオーナーさんの大事な役割です。必ず削って落とさなければなりません。

けれど、愛馬が所属している乗馬クラブや競馬厩舎では歯なんて削っていないし、削らなくても健康では?と思いますか?現在の日本の厩舎では歯のことは軽視されがちです。しかし、欧米では必ず定期的に行われている「馬を飼育する上で必ずやらなければならない基本中の基本」なのです。馬はなかなか口の痛みを周りに表すことがありません。動物にとって、餌が食べれなくなることは死を意味し、また草食動物である彼らは、捕食者に狙われないよう、歯が悪いことや口の中が痛いことを隠そうとする傾向にあります。そんな我慢強い馬たちでも、長くそれに苦しむと、口内の違和感から食べ戻しをし、口の中の傷や口内炎を触れば首を振って痛みを表します。

生まれてから一度も受けていない場合は口内はかなりガタが来ていることでしょう。ケアを受けた後に数年間期間があいていると口内はまた元の状態に戻っていることでしょう。また、開口器を使わずに、簡単なヤスリだけで削るのは、後ろのほうは勿論、臼歯の前のほうさえも十分に削れておらず、全く意味をなしません。馬は「口の中が痛い」とは言えません。すぐに大切な愛馬の苦しみを取り除いてください。

まずは世界基準の高度な訓練を受けた、馬の歯の専門家の指導の下で、口の中に手を入れてみてください。あなたの指が切れてしまうくらい、馬たちの歯は尖っています。口の中をクリアにすることによって、大切な愛馬は痛みから解放され、食べ物が美味しく食べれるようになり、栄養の吸収も上がり、更に健康に長生きすることでしょう。複合的な結果、能力も向上します。

功労馬には長生きできる歯を、競技馬にはオリンピック級の噛み合わせを、是非プレゼントしてあげてください。

エクイデンツのミッションステートメントは「口から始まる馬の幸せ」です。


 
歯を一度も削っていないあなたの馬の口の中、こんなふうになっているはずです。これでは何をするにも億劫に・・・。

伸び過ぎた歯が刺さって粘膜に大きな傷を。
潰瘍化しています。

痛い!舌も傷だらけ・・・

まるで牙のよう・・・

これ以外に、馬にも虫歯や歯周病もあります。甘いものはほどほどに・・・。口腔ケアで全てスッキリ解決しましょう。

*日本ウマ科学会発行「ヒポファイル」に歯科の記事が3回に渡って掲載されました(2008.4)

*コラムを更新しました(2007.1)

*2006年年末のご挨拶
2006年もたくさんの馬をハッピーマウスに変身させました。お蔭様で、世界中で3000頭を越す馬達と口を通じての出会いがありました。これは随分長い間可哀相だったなあ・・・と思った馬や、これは幸せな生き方をしているなあという馬、馬の口に優しく手を入れれば、その馬の今まで生きていた重みがひしひしと通じてきました。

世界中、すべて違う環境や気候、用途、この限られた中でこの馬がどうやったらもっと幸せになれるか、小さなことからできることをもっとオーナーに伝えたい、もっと情報や助言を求めている人と交流したい、As an equine scientist(馬の科学者の一員として)2007年は更に最前線の「馬の幸せ」を考え伝えて行きたいと思っております。

*乗馬ライフ12月号(143号)「愛馬のためのデイリー・ホース・ケア」に歯科記事が掲載されました(2004.12)

コラム1 馬の歯学+栄養学+心理学「馬の悪癖と咀嚼についてのお話」
コラム2 馬のステーブルマネジメント 「かんたんにできる体重の量り方とコンディションスコア」
コラム3 馬の栄養学 「ミディアムワークの馬への給餌(フィーディング)の目安 」



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