馬のステーブルマネジメント 「かんたんにできる馬の体重の量り方とボディコンディションスコアリング」

 

新木 美絵 B.Sc.(エクイデンツ・馬の歯科技師)

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馬の体重の量り方

体重はスケールに乗らないと量れない、そう思っていませんか?

体重を量るには様々な方法があります。

今回はメジャー式を紹介します。メジャーがあれば、簡単に体重を割り出すことができます。馬以外の動物にも適用できます。もちろん、完全にぴったり正確な体重は量れませんので、ご注意下さい。

まず、肩の後ろ、ちょうどきこうのあたりの胴の太さを測ってください。それから、肩の端のポイントからお尻の端のポイントまでの体長を測りましょう。Figure1を参考にしてください。そうしたら、次の公式に当てはめるだけです。

体重(kg)=胴回りcmX胴回りcmX体長cm÷12,000

簡単でしょう?体重はいろんな場面で必要になります。知っておいて損はありません。是非やってみてくださいね。

Figure1  Weightapeでのはかり方

コンディションスコアリング

次はコンディションスコアリングについて勉強してみましょう。コンディションスコアを知っていれば、その動物のエキスパートではない人でも、容易に動物が正しい体重で引き締まっているか否かを目で確認することができます。

ボディコンディションスコアにはアメリカ式とオーストラリア式があります。アメリカ式は9つの項目に分かれており蓄積された脂肪と鍛えられた筋肉の両方を判断基準に一緒に入れてしまいます。オーストラリア式は6つの項目のみに分かれていますが、筋肉と脂肪を別に考えます。

ポイントとなる部分は…
1、腰の上
この場所は一番最初に脂肪と筋肉がつく部分です。痩せすぎの馬は細かいしわがよっており、指で骨のゴツゴツが感じられるでしょう。

2、あばら
痩せすぎの馬はあばらが簡単に見て取れますね。筋肉容量の増加はあばらの周りのパッドの増加と比例します。筋肉と脂肪があばら骨の間をうめつくすと、こんどはあばらの外側に点々と脂肪が散在していきます。

3、尻尾の付け根
スコア3以上になると、付け根の頂点が見えてきますが、やつれすぎの馬は骨が見えるくらいになるでしょう。アラブのように平らなお尻を持つ馬は少し判断が難しくなります。

4、きこう
あまりに痩せていると、肩甲骨の頂点が見えます。スコア5でこのアウトラインは消えます。これ以上になると皮膚の下に筋肉と脂肪の層が感じられます。

5、首と肩
あまりに痩せていれば骨が見えますが、スコア5以上になると、首と肩がちょうどよく合体したかのような体型になります。体重が増えれば、すぐにこの部分の脂肪が増えるでしょう。脂肪が増えれば首は丸くなっていきます。

6、お尻
スコア8以上にならないと目立った違いはありません。スコア9になると、馬が歩くたびにお尻がすれてしまうことになります。


では実際のスコアをFigure2の写真を参考に読んでみてください。

Figure2 コンディションスコアで見るべきポイント

 

アメリカ式ボディコンディションスコアの付け方

1. 非常にやせすぎ
馬は酷く衰弱している。背骨、あばら、おしりの骨、しっぽのつけねが大きく出ている。首はこけていて、肩の骨、きこう、首がはっきりと出ている。背骨の一つ一つが見えるようで、簡単にさわって判別できる。脂肪を全く触ることが出来ない。

2. とても痩せている
馬は衰弱している。背骨、あばら、しっぽの付け根、骨盤が際立って見える。首、きこう、肩の骨の位置が多少判断できる。背骨が簡単に判別でき、手で触ることができる。

3. 痩せている
背骨が目立つ。あばらをさわると、薄い脂肪の層を触ることができる。しっぽの付け根は目立つが、背骨一個一個は見ることが出来ない。おしりの骨は見えないが、肩と首は目立っている。

4. 少し痩せている
背中には多少のしわがよっている。あばらの骨組みが少し見える。尻尾の付け根の脂肪を触ることができる。おしりの骨は見えない。きこう、首、肩まわりはそこまで細くない。

5. 普通
背中が均等である。あばらは触ることができるが、見えない。しっぽの付け根の脂肪はスポンジのようである。きこうは丸まり、肩と首は柔らかく内側に曲げることができる。

6. 多少肉付きが良い
背中に多少しわがよっている。尻尾の付け根が柔らかい。あばらの周りの脂肪がスポンジ状に感じる。きこう・肩・肩まわりに脂肪がついている。

7. 肉付きが良い
背中が下がるようにしわが見える。あばらを触ることができるが、あばらの間の脂肪が明確にわかる。尻尾の付け根の脂肪は柔らかい。きこう・首・肩周りの脂肪がわかる。

8. 太っている
背中のしわが明確になる。あばらの間の脂肪のせいであばらを触ることがむずかしい。きこうは脂肪でかためられていて、尻尾の付け根も脂肪でとても柔らかい。肩の後ろにスペースがあり、ほてっている。おしりの隙間にも脂肪が確認できる。

9. 非常に太っている
背中のしわがとても明確に見える。あばらの間の脂肪が斑点のように分散し、尻尾の付け根・きこう・首・肩にも脂肪を貯蔵している。おしりとおしりが擦れ、ほてっている。


馬の用途によって当てはまるスコア

エンデュランス 4-5
総合馬術 4-5
障害馬術 5-7
馬場馬術 6-8
サラ以外の競走馬 4-6
サラブレッド競走馬 5-7
ポロ 4-5
ウェスタン 4-5
繁殖牝馬 4-6
妊娠中の繁殖牝馬 7-8
オフシーズンの種牡馬 4-6
仕事中の種牡馬 5-7
ハンター 5-7
クォーターホース 6-8
ショー外乗用 6-8
ポニー 7-8

オーストラリア式コンディションスコアの付け方

 

0.非常に痩せすぎ
羊のような首が目立ち、細く生気がない。皮膚がきつくあばらを覆い、背骨が簡単に見える。骨盤が角張っており尻尾の下やきこうに窪みが見える。

1.痩せている
羊のような首で生気がなく、あばらが見える。背中の皮膚が左右どちらかに沈んでいる。背骨が見える。くぼんで見えるが、皮膚はしなやか。骨盤が見え、尻尾の下が大きくくぼんでいる。

2.平均
首は細いが弾力がある。あばらが少し見える。背骨は触れば感じられる。お尻の肉付きがよく、尻尾のしたのおしりの窪みは浅い。

3.良好
首がかたくなる。あばらと背骨は触れば感じられる。背中に溝はない。骨盤は脂肪でカバーされ、丸くなるが触れば感じられる。

4.太っている
首の幅広い首筋が見え、かたい。背中やあばら、骨盤は脂肪でカバーされ、強くおさなければ背骨の溝を感じることが出来ない。尻尾の付け根に溝ができる。

5.太りすぎ
脂肪で覆われ、幅が広くかたい首筋がくっきりと見える。あばらを触ることが出来ない。幅広く平らな背中に深い溝ができる。尻尾の付け根に深い溝ができる。皮膚が骨盤上で張り詰め触ることが出来ない。

Reference:
Carroll,C.L. and Huntington,P.J. (1988) Body condition scoring and weight estimation of horses. Equine Veterinary Journal 20: 41-45.
Frape,D.(1998) Equine nutrition and feeding. 2nd edition. Blackwell Science Ltd: Oxford.
Henneke,D.R., Potter,G.D.,Kreider,J.L.,and Yeates,B.F.(1983) Relationship between condition score, physical meadurement, and body fat percetage in mares. Equine Veterinary Journal 15: 371-372.
Kerrigan,R.H. (1994) Practical horse nutriotion. 3rd edition. Australia.

Pilliner,S.(1992) Horse nutrition and feeding. Blackwell Science Ltd: Oxford.

(2007年 文章の転載には必ずこのページのリンクをお願い致します)

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